2024年9月から現在まで、一伏はっかはエスペラント語の学習を続けている。自分ひとりで勉強し続けるのも良いのだが、ぜひともこの言語が、もう少しだけ世の中に広まらないかなあと思う。エスペラント語についての予備知識が無い人のために簡単に説明すると、1887年にルドヴィコ・ザメンホフというポーランド人によって開発された言語の名前だ。俗に「世界一易しい人工言語」などと呼ばれることがあるほど簡便な文法で、かの文豪トルストイなどは4時間で習得できたという逸話がある。まあそんな伝説はさておいても、「この春から、何か新たな趣味でも始めてみたいな」とお考えの方には、ぜひこのエスペラント語の学習を薦めたい。趣味だというのに勉強だなんて馬鹿なと思われるかもしれないが(一伏自身思わないでもないが)、案外そうでもない。勉強というとなんだか苦痛で仕方ないような気がするだろうが、新たな知識を身につけることはいつだって楽しい。アルティマニアとか大技林とか読んでるときめちゃくちゃ楽しいでしょ。同じことだ。知識を得る喜びのほかに、実利の面からも薦める理由は3つほどある。1.海外と意思疎通できる言語がすぐに1つ手に入るエスペラント語は、英語やその他の言語を介さずに、海外の人々とコミュニケーションをとる手段になる。しかもその学習コストは他の言語に比べて非常に軽い。今回は文法解説記事ではないためいちいち例は挙げないが、エスペラント語の文法は以下に示したものしかない。まだいくつか加えたい部分もあるが、あとは辞書を引けば意味が載っているため、ここでは省いた。文脈で特定できる一般名詞には定冠詞 la を付ける語根に「o」を付けると名詞になる語根に「a」を付けると形容詞になる名詞・形容詞の単語の終わりに「j」を付けると複数形になる名詞・形容詞の単語の終わりに「n」を付けると「~を、に」を表す「~を、に」以外の意味はさまざまな前置詞を付けて表す形容詞は修飾する名詞に数・格をそろえる語根に「e」を付けると副詞になる比較級は形容詞の前に「pli」を置き、比較対象の前に「ol」を置く最上級は形容詞の前に「plej」を置く動詞は時制・法に対し1つずつの完全に規則的な変化しか持たない不定詞は語根+i現在形は語根+as過去形は語根+is未来形は語根+os命令法は語根+u仮定法は語根+usアクセントは常に末尾から数えて2番目の母音にある中高6年勉強しても学びつくせないだけの文法事項がある英語などと比べ、本当にこれだけで良いのか不安になるレベルで簡単ではないだろうか。ちょっと引く。というのもエスペラント語は「完全に規則的」であることが一番のウリで、他の自然言語のように「不規則変化」だの「綴りから想像できない発音」だのがない。本当に助かる。またエスペラント語ではエスペラント式のアルファベットを用いるのだが、日本人にはなじみ深いいわゆる「ローマ字」式の読み方でほぼ間違いない。一部特殊な字と発音があるため、以下に示す。おめでとう、これであなたもEsperantisto komenca(初心者エスペラント話者)だ。この項目を読んだ人は、あとは以下に示すような無料の辞書サイトなどを使えば、もう今すぐにでもエスペラント語の文章を読み解くことができるようになった。関連サイト:21万語を集めたエスペラント辞典 Kajero2.海外旅行がしやすくなるエスペラント話者の間には「Pasporta servo(パスポルタ・セルヴォ)」なる制度がある。これはエスペラント話者がある国に旅行をする際、現地のエスペラント話者と交流ができる制度らしい(一伏は使ったことがないので「らしい」と言う)。現地の観光案内などのアテンドはさることながら、場合によっては交流相手の家に宿泊させてもらえるなど、さまざまな融通を利かせてもらえるようだ。もちろんエスペラントを学び始めたからといって、どこからともなくパスポルタ・セルヴォ候補生に登録され、海外からの旅行者を無制限に受け入れなければならないわけではない。各国に点在しているエスペラント関連組織に入会している人で、希望する人のみ対象となるのだろう。3.他のヨーロッパ系言語学習の下地になるエスペラント語はヨーロッパ系の言語から多くの語彙を取り込んで、自身の語彙を充足させている。そのため、エスペラント語をひとつ学ぶと、取り入れられているヨーロッパ系言語を学ぶ際に「これ、エスペラント語でやったところだ!」と進研ゼミ的に学習効果が波及する。たとえば「pura」という単語がある。字の並びを見てほしい。そう、英語の「pure」にめっちゃ似てない? 読みこそ「プーラ」だが、意味はそのまま「純粋な、澄んだ」と英単語pureとほぼ同じだ。ちなみにイタリア語は「pura」、スペイン語でも「pura」、フランス語では「pure」と、ほぼ同じ語形である。詳しく語ると長いので省くが、こんな風にエスペラント語に触れておくことでその他言語を学ぶハードルがグッと下がる。言語というのは文法も重要だが、それ以上に語彙が「物を言う」世界だ。たとえフランス語の文法を完全暗記できたとして、「私」をなんというのか、「猫」をなんというのか、「好き」をなんというのか、それぞれわからなければ「私は猫が好き」とも言えない。エスペラント語に興味がわいた人に「ちょっとやってみよっかな~」と思った人がもしいた時のために、オススメの文法書を紹介しておく。ちなみにこれはアフィリエイトリンクではないので、安心して購入してほしい。一伏がアフィリエイトを貼るときは絶対言うから安心してくれ。なんなら図書館で借りるとよい。『4時間で覚える地球語エスペラント 改訂版』小林 司 (著), 萩原 洋子 (著)一伏はこれで覚えた。本当に4時間あれば大体のところが覚えられるから、信じて読んでみてほしい。細かいところまで覚えたくなったら、細かいところも解説されている。『ニューエクスプレス エスペラント語』安達 信明 (著)言わずと知れた外国語入門書シリーズに、エスペラント語が殴り込みだ!!! 『4時間で覚える』に掲載のある例文は書き言葉が主なのだが、『ニューエクスプレス エスペラント語』は会話が主である。CDやスマホで使える音源も付いているので、発音も正確に覚えられるはずだ。上記の他にもこの世には様々なエスペラント語の教科書や、読み物がたくさん出版されている。その多くは一般社団法人日本エスペラント協会(JEI)さんを通じて購入できるため、興味がある向きはこちらからカタログを眺めてみると新たな発見があるかもしれない。関連リンク:図書販売|一般社団法人日本エスペラント協会※本言語の和名は「エスペラント」と「エスペラント語」の2表記あり、どちらかといえば「エスペラント」表記が優勢だが、一伏はっかは本言語を知らない人でも「なるほど、何らかの言語なのね」と了解してもらえるように「エスペラント語」という表記を好んで採用しています。